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Breda B.T/Tebaldi Zari

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Breda B.T/Tebaldi Zari(ブレダB.T/テバルディ・ザリ)1922年イタリア。
試作機。1機のみ制作の模様。

国の命運を賭けた第二次世界大戦では、役に立たない駄目飛行機をせっせと製造したブレダ社であったが、
第一次大戦が終わって間もない時代にも、なかなか美味しい機体を生み出していたようだ。

主翼や車輪の特異な構成は、空気抵抗を軽減し速度性能を得るためと思われる。
空気抵抗になる車輪の脚柱を無くして、車輪を直接主翼に取り付けたデザインは非常に意欲的。
このアイデアが先ず浮かび、これのために作った飛行機なのではないかとすら思えてくる。

しかし、疑問に感じるところもある。
プロペラと地面のクリアランスを確保するために大直径となってしまった車輪は、空気抵抗の元となるであろうし、重量としても不利である。
また、機首付近に陣取ったこの2枚の大きな車輪は、風見安定の低下をもたらしそうだ。
そこまでして車輪で高さを稼いでも、やはりプロペラ直径は控えねばならないので、プロペラ効率の点でも難をかかえることになろう。

車輪に緩衝装置は当然付いているであろうから、下翼前桁位置にある車軸は、桁とは分かれているはずで、そうなると前桁は、車輪の所で内翼と外翼とに分断されていることになる。
強度上いかがなものであろうか。
それを補うためか、決して大きくは無い下翼は、二張間の翼間支柱と張線で、上翼に支えられるような形になっている。
普通なら一張間で済みそうなところである。これも空気抵抗の面で良くはない。

翼胴間の支柱を排し、直接胴に取り付けた主翼なのだから、翼が堅牢であれば、支柱無しの片持ち式ないし、簡素な支柱でも済みそうなところなので、本機の二張間支柱は、主翼の取り付け方の意図を裏切る形になりそうだ。
また、機首下面から張り出しを無理矢理延ばして整形した下翼の取り付け方は、空力上良いあしらいには思えない。

本機は、通常の複葉機と異なり、下翼の方が手前に位置する逆の食い違いのスタッガーである。 逆の食い違いは、引き起こしや離着陸の大仰角時には、上翼の手前に下翼がかぶり干渉しかねないので、失速特性が悪い傾向がある。

下翼同様に翼胴間の支柱を排した上翼は、操縦席直前の胴体上部に位置する。
前方視界は、通常の複葉機やパラソル機に較べて良くは無いだろう。


主脚の脚柱を排した挑戦的な設計の本機ではあったが、他の所に負担が生じ、結果的にはむしろ抵抗が増えてしまったようにも思える。
同クラスのオーソドックスな機体に較べ、得るべき点は無く、扱い難くなってしまっただけのシロモノなのかもしれない。
いわゆるアイデア倒れというやつか、歴史に埋もれた実に香ばしい機体である。

(2007.7.2)



著作者:たま、/児玉智則。
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